【黄昏ゲームヒストリー】
第8回 カセットフーフーの術
カセットフーフーの術とは
古のゲーム少年達は、ある秘術を身につけていた。
いったい誰に教わったのか、誰が広めたのか。
SNSはおろか、ネットもない時代なのに、なぜかそれは全国のゲーム少年に浸透していた。
それが、カセットフーフーの術である!
息をフーフー
時は、ファミコン時代。この頃はまだ、カセットを差し込んでも起動しないという事例が割とよく起こる、そんな時代だった。
そんな時、ゲーム少年はおもむろにカセットを抜き取り、端子部分に向かって息をフーフーとふきかけるのだ。
そして、再びカセットを差し込むと、あ~ら不思議。起動しなかったゲームが起動するじゃあ~りませんか。
そう、これが「カセットフーフーの術」なのである。
私の体感ではあるが、この秘術が必要だったのはファミコン…までだったと思うなぁ。
スーパーファミコン以降は、接触不良もかなり減った記憶がある。
年齢を重ねて、雑な扱いをしなくなったっていうのもあるかもしれないが。
実際の所、この秘術には何の根拠のかけらもない。
むしろ、端子部分につばが飛んで錆びてしまうからよくないというのは、だいぶ大人になってから知った話だ。
でも、なんで起動する確率高かったんだろう…。
少年達のゲームをやりたいという心が引き起こした摩訶不思議な術だった。
2023/07/18