【発売されなかった幻のゲーム】
第7回 Project H.A.M.M.E.R.(Wii)
Project H.A.M.M.E.R.経緯
Wii発売前の2005年から、発売予定リストに載っていたソフト。
2006年にE3でも発表されたが、その後音沙汰がなくなり、2009年開発中止になった。
開発は、任天堂米子会社のNintendo Software Technology(以下NST)。
なぜお蔵入りに
Wiiぐらいの時代になると、発売中止案件は表に出てくることがあまりなかった。
公表される前に、ユーザーが知らないうちに消滅しているケースの方が圧倒的に多い。
事実、同時期に決算説明会資料に載っているWiiソフトは、このソフト以外全て発売されている。
そのことから考えると、開発はかなり進んでいたのだと思われる。
では、なぜ発売に至らなかったかと言えば、クオリティーチェックで引っかかったと考えるのが妥当だろう。
Wiiリモコンのモーションコントロール面での問題という話もある。
内部的には、任天堂とNSTで色々ともめていたようで、元開発者が当時の不満を語ることが時折ある。
ただ、この話に限らず、片一方の言い分だけを聞いていては真実なんて見えないので、その話だけを鵜呑みにするのはおかしいと思う。
まぁ、どっちにしても、任天堂とNST間でのコミュニケーションに問題があったという事は否定できない。
この一件で、NSTは退職者が相次いだようだ。
元々、NSTは『ウェーブレース ブルーストーム』や『1080°シルバーストーム』など、それなりの規模のパッケージソフトを開発してたが、この頃から『マリオvsドンキーコング』のような比較的小規模のゲームしか開発できなくなってきてしまった。
どんなソフトだったのか
巨大ハンマーを腕につけたサイボーグが主人公で、Wiiリモコンをハンマーに見立てて操作するゲーム。
Wiiリモコンとヌンチャクを使用するゲームで、街のオブジェクトなども破壊可能だった。
ゲームの動画なんかを見ると、完成度は高そうに感じる。
初期のWiiリモコンで開発されていたものだと思うので、プレイフィールの部分で問題があったのかなぁ。
その後の状況、NSTの現状から考えるに『メトロイド ドレッド』のように復活することは難しいんだろうな…と思う。
2021/08/29