【黄昏ゲームワード】
 第4回 ジャックの豆の木計画

ジャックの豆の木計画とは

 「ジャックの豆の木計画。」
私がこの広告を見たのは、確かファミリーコンピュータマガジンの裏表紙だったと思う。
それは、ゲーム開発者の公募だった。

 チーム丸ごと公募し、それを任天堂が全面バックアップ、自由な開発環境で全く新しいアイデアのゲームを生み出そうという試み。
評議委員は、任天堂・宮本茂氏、HAL研究所代表(当時)・岩田聡氏、コピーライター・糸井重里氏、チュンソフト代表(当時)中村光一氏の4名。最終面接には、ゲームボーイの生みの親・故横井軍平氏も加わるというゲーム業界のレジェンド中のレジェンドが立ち並ぶすごい顔ぶれ。
そして、この計画は始まった・・・。

ジャックの豆の木計画が教えてくれるもの

 ジャックの豆の木計画については、ほぼ日・樹の上の秘密基地内に詳しいいきさつや、開発過程の紆余曲折が紹介されている。

樹の上の秘密基地 - ほぼ日刊イトイ新聞

 今読み返してみると、非常に興味深い内容になっているので、是非ご一読いただきたい。

 自由な開発体制は、クリエイティブメディアでは理想形なのかもしれない。
でも、実際には何かを決めて行くには管理することだったり、強いリーダーが必要だったりもする。
ゲームの開発に限らず、考えさせられるものがあるなぁ。

 結局、「ジャックの豆の木計画」で発売されたのは、NINTENDO64『ポケモンスナップ』の1本のみ。
しかしながら、確かに輝く個性的な1本だったことは間違いない。

ジャックの豆の木計画のメンバーは今

 任天堂とHAL研究所のプロジェクトチームだった「ジャックの豆の木計画」は、『ポケモンスナップ』リリース後に、たぶん解散。そのままHAL研内に残る方も多かったようだ。

 そのうち、デザイナーの川瀬滋史氏は現在HAL研究所の代表取締役社長を務めている。

 ディレクターの山本洋一氏は、HAL研究所でカービィシリーズのプロデューサーを務めた後、任天堂へ。amiiboなどの制作に携わっている。

 同じくディレクターの猪ノ口幸治氏は、ナムコへ。来週Switchで発売される『ミスタードリラーアンコール』の元となったゲームキューブ版『ミスタードリラー ドリルランド』などの開発に関わったようだ。『スターフォックスアサルト』や『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』など、巡り巡って任天堂作品の開発にも携わっている。

 3人目のディレクター、竹嶋章氏は、2013年に「そらいろ株式会社」を設立。『伝説のレギオン』などスマホ作品をリリース。
『伝説のレギオン』配信元のコアゲームスは、2015年にポケモン開発のゲームフリークに吸収合併された。これも縁なのかな。

 決して大成功とは言えないまでも、確かな足跡を残した「ジャックの豆の木計画」。
そこから生み出された『ポケモンスナップ』の最新作が、Nintendo Switchで発売されるというのは感慨深い。

2020/06/21

ページTOPへ戻る