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任天堂のセカンドパーティをまとめてみる【2019年版】

任天堂のセカンドパーティ

 前回に引き続き、今回はセカンドパーティ編ということで任天堂の開発体制を考えてみる。
はっきり言って、セカンドパーティという言葉自体死語だと思うのだが、わかりやすくするためにあえて「昔ながらの感覚」で列挙してみることにした。
ここで言うセカンドパーティとは、任天堂ハードのみにソフトを供給している開発会社という定義で書いていく。アプリやPCは除く。
さらに、ここ数年の開発状況等から見て実質セカンドパーティ化している会社を準セカンドパーティとして紹介する。
あわせて、前回同様Switchの開発状況などものせる。

セカンドパーティ

インテリジェントシステムズ:
任天堂ハードのソフト開発支援ツール及びソフトを開発している会社。任天堂との資本関係はないが、強力なパートナー企業の1社。
「ファイアーエムブレム」「ペーパーマリオ」「メイド イン ワリオ」「ファミコンウォーズ」等、数々のソフトを開発してきた。
現在、『ファイアーエムブレム 風花雪月』を開発中。

SRD:
ファミコン時代から、任天堂ソフトのプログラムを担当してきた。
京都事業所は、任天堂の本社開発棟内にある。
社長の中郷氏や、取締役の森田和明氏は、あらゆるゲームのスタッフクレジットに顔を出す。
あまり知られていないが、任天堂にとっては強力なパートナーだ。
CAD事業も行っていたが、2019年3月をもって終了。これからは、任天堂との協業を主軸に据えて事業を行っていく模様。

HAL研究所:
元々は、サードパーティだったが経営危機に陥ったときに任天堂(故山内氏)からのサポートを受け経営再建したと言われている。2001年度までは、任天堂の持分法適用会社だった。東京本社の他、山梨にも開発拠点を持つ。
「カービィ」が、開発の軸。最近は、スマホにも進出している。
『星のカービィ スターアライズ』以後の状況は不明。しかし、任天堂との関係性から見ても何らかのソフトを開発していると思われる。

ジニアス・ソノリティ:
「ドラゴンクエスト」シリーズのプログラムを担当した山名学氏が、任天堂、ポケモンの出資を受け設立した会社。
ゆえに、ポケモン関連ソフトの開発が多い。3DSでは、「電波人間のRPG」シリーズもリリースした。
ここ最近は、スマホへ注力しているように見える。Switchでの開発は不明。

ソラ:
「カービィ」「スマブラ」の桜井政博氏の会社。
と言っても、開発スタッフはおらず桜井氏のみの会社だと思われる。
現在は、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のDLCを開発中。

スキップ:
ラブデリックから派生した会社のひとつ。
「ちびロボ!」シリーズを開発。
3DS以降は、リリースペースがかなり少なくなっている。

アンブレラ:
東京大学理論科学グループの現役学生や大学院生、OBを中心に設立。
マリーガルマネジメントと契約していた会社。
音声入力で遊ぶN64『ピカチュウげんきでちゅう』がデビュー作。以後も「ポケモンスクランブル」などのポケモン関連ソフトを開発してきた。
最近は、スマホでシューティングゲームをリリース。
Switchでの展開については不明。

準セカンドパーティ

キャメロット:
高橋兄弟率いる開発会社。
任天堂とパートナーになってからは、『マリオゴルフ』『マリオテニス』『黄金の太陽』を開発。
一時、任天堂ハードから撤退していたが後に復活。
『マリオテニス エース』発売後、公式な発表はないが「マリオゴルフ」シリーズも開発している可能性が高いのでは。

グレッゾ:
聖剣伝説の石井浩一氏が設立した会社。
「ゼルダの伝説」リメイクに多く携わり、オリジナル作品『Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼』もリリースした。
現在の動向は不明。

グッド・フィール:
がんばれゴエモンシリーズのスタッフが中心となり設立。
最近、「グッド・フィール ゲームス」と「グッド・フィール モバイル」に分社化した。
任天堂のキャラクターを使ったオリジナルアクションゲームを開発。
『ヨッシークラフトワールド』が、3月に発売予定。

アルファドリーム:
『スーパーマリオRPG』のスタッフが中心となり設立。
社長が、水野氏から前川氏に交代。あまり業績も芳しくないようだ。Switchの他、PS4やスマホの開発人員を募集。今後は、サードパーティへと変わっていくのかもしれない。
「マリオ&ルイージRPG」や「とっとこハム太郎」を開発。
Switchでは、現状明らかになっているものはない。

バンプール:
ラブデリックから派生した会社のひとつ。
「チンクル」シリーズや「ザ・ローリング・ウエスタン」を開発。
現在の開発状況は不明。

Next Level Games:
カナダにある開発会社。
『ルイージマンション2』で名を上げ、『メトロイドプライム フェデレーションフォース』で名を落とす。
だいぶ前に、任天堂のセカンド化しているとの話もあった。
Switchで『ルイージマンション3』が発売されるが、Next Level Gamesが関わっているかどうかは現時点ではわかっていない。

まとめてみると…

 列挙してみると、浮き彫りになるのがスマホ進出の多さ。
やはり、Switchだけでは難しいということなのだろうか。

 だが、一方で古くからスマホでゲームを開発してきた人の中にはスマホゲームは「ピークを過ぎた」「これからしぼんでいく一方」といった声も耳にする。
特に、中小にとってはかなり厳しい状況になっているように感じる。
スマホ進出することによって、力のあるスタジオの経営が悪化しないことを願いたい。

2019/01/28

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